ロボットケーブルにおける法令や規格について
製品の国内外での流通には、製品がそれぞれの国や地域などで定められている規格に適合する必要があります。
ロボットケーブルについても同様です。
4階層に分類される規格
規格は適用範囲によって4つに分類されます。
・国際規格
国際的な技術格差の解消を目的とした、世界の国々が共通して利用できる規格です。標準化機関が規格を制定しており、ISO、IEC、ITUがあります。
・地域規格
複数の国からなる特定の地域内で利用できる規格です。EU(欧州連合)で利用されているCEマーキング、CEN(欧州標準化委員会)とCENELEC(欧州電気標準化委員会)が作成したEN規格などがあります。
・国家規格(各国規格)
1つの国の中で適用されている規格です。日本のJIS、アメリカのANSI、イギリスのBSなどがあります。
・団体規格(業界規格)
同業者団体や学会などによって制定された規格です。米国電気電子技術者協会が定めるIEEEなどがあります。
国際規格のISO認証
ISO規格は、電気・電子技術の分野以外の全産業分野に関する国際規格です。
ISO(国際標準化機構)が制定・発行を行っています。
世界に通用する規格を用いて、国際的な取引を円滑にすることが狙いです。
ISO規格には
・非常口のマークやカードのサイズなどといった製品自体を対象とする「モノ規格」、
・組織の品質活動や環境活動を管理するための仕組みを対象とする「マネジメントシステム規格」
があります。
ISO認証によって企業は社会的信頼を得ることができます。
また製品・マネジメントシステムの問題点を客観的な目線から発見でき、定期審査を通じて継続的な改善を行えるのです。
ロボットケーブル選定においては、「ロボットケーブルを製造している企業がISO認証を受けているかどうか」が1つの指標になります。
日本国内における電気用品安全法(電安法)
電気用品安全法とは、電気用品の製造、輸入、販売等の規制や安全性の確保について定めた法律です。
経済産業省が管轄しており、電安法あるいはPSE法とも呼ばれます。
この法律では対象品目や届出事業者に課せられる義務、経済産業大臣が行う命令等が定められています。
国の定めた技術基準に適合した電気用品にはPSEマークを付けることができ、PSEマークが表示されていない電気用品は販売できません。
ロボットケーブルにも電気用品安全法に適合していることを示すPSEマークが表示されています。
おわりに
ロボットケーブルにおける法令や規格、その位置付けをご紹介しました。
製品の流通先で制定されている規格を把握のうえ、規格に適合しているロボットケーブルを選びましょう。