RoHS対応(10物質)ケーブルとは?

ケーブル先端の画像

工場における生産性を高めたり、従業員の労働環境を改善させたりするために、さまざまなロボットを活用するケースが増えています。

ロボットに接続するロボットケーブルを最大限活用するには、適切なものを選ぶことが大切です。

環境にも配慮した製品

RoHS指令とは、2003年にEU(欧州連合)で制定された「電気電子機器に含有される特定化学物質の使用制限に関する指令(Restriction of the use of certain Hazardous Substance in Electrical and Electrical Equipment)」です。

電気・電子機器の廃棄時に最終処分量を減少させる目的で制定されたWEEE指令に対し、

RoHS指令は、WEEE指令による電気・電子機器のリサイクルを容易にする目的があります。RoHSの内容は、電気・電子機器の廃棄時に人や環境に影響を及ぼさないようにするための、電気・電子機器内の有害化学物質の規制です。

RoHS対応(10物質)の規制物質

RoHS指令は2011年に管理基準が改正され、2015年に禁止物質追加され、現在はRoHS対応(10物質)となりました。

有害化学規制物質は下記10種類で、それぞれに閾値が定められています。

※フタル酸4物質は2015年に追加されました。

・鉛

・水銀

・カドミウム

・六価クロム

・ポリブロモビフェニル(PBB)

・ポリブロモジフェニルエーテル(PBDE)

・フタル酸ジニエチルへキシル(DEHP)

・フタル酸ブチルベンジル(BBP)

・フタル酸ジブチル(DBP)

・フタル酸ジイソブチル(DIBP)

RoHS対応(10物質)がケーブルに関係する理由

電気・電子機器をEU加盟国に輸出する場合には、RoHS適合(10物質)に対応する必要があります。

RoHS対応(10物質)の対象製品は下記11種類です。

・大型家庭用電気製品(冷蔵庫・洗濯機・エアコンなど)

・小型家庭用電気製品(掃除機・時計・電動歯ブラシなど)

・情報技術・電気通信機器(パソコン・複写機・携帯電話など)

・民生用機器(テレビ・ビデオカメラ・ハイファイオーディオ・アンプ・楽器など)

・照明機器(ランプ類・照明制御装置)

・電気・電子工具(電気ドリル・ミシン・はんだ用具など)

・玩具・レジャー用品・スポーツ用品(ビデオゲーム・電気電子部品を含むスポーツ器具・スロットマシーンなど)

・医療機器

・監視及び制御機器(産業用の監視及び制御機器を含む)

・自動販売機(飲料自動販売機・食品自動販売機・現金自動引出機など)

・上記カテゴリに入らないその他の電気電子機器

電線・ケーブル類単体は Cat.11; その他の電気電子機器 として登録され、他の電気・電子機器の製品群にも使用されるため、RoHS適合(10物質)規格に適合する必要があります。

おわりに

生産者にCEマーキング適合宣言書の作成とCEマークの貼付などの義務が発生し、不適合があれば製品リコールとなります。

欧州向けに自社製品の展開を検討している場合は、ロボットケーブル選定に関しても輸出先の規格に合うかどうかを注意して選びましょう。