ロボットケーブルのノイズとは?ノイズ対策をご紹介
ロボットの繊細な動きを実現するためには、ロボットケーブルのノイズ対策が欠かせません。ロボットケーブルに起こりうるノイズの種類や対策をご紹介します。
ノイズとは?
電気通信分野において、ノイズとは音声では雑音、映像では電波障害による画面の乱れなどを指します。その他、電子機器から漏れた電磁波を他の電子機器が拾うことによって発生するノイズ障害もあります。
電子機器の誤動作を引き起こす可能性があるため、できるだけ排除する必要があります。
ノイズには多くの種類があり、同じ性質のノイズでも分野によって名称が異なったり、同じ名称でも技術者によってイメージされるものが異なったりする場合もあります。
分類方法も、発生する種類や発生原因などいろいろな分け方があります。
ロボットケーブルでのノイズの原因
ロボットケーブルにおけるノイズの主な原因は下記のとおりです。
伝導ノイズ
電源や信号のケーブル、プリント基板の回路パターンなどを通して伝わります。
クロストークの「電磁結合ノイズ」と「静電結合ノイズ」
同じケーブルまたは、異なったケーブルの間で、信号やノイズが他の導体へ移ることをクロストークと言います。
原因には、近距離にあるケーブル間で相互誘導により発生する「電磁結合ノイズ」と、同じく近距離にあるケーブル間で絶縁体の静電容量を介して発生する「静電結合ノイズ」があります。
放射ノイズ
周囲の空間において、不要電波として発生・飛来しているノイズのことです。
ケーブルがアンテナとなって受信することがあります。
自己発生静電ノイズ
ケーブルが可動する時の摩擦や静電容量の変動により、導体の上の絶縁体に電荷がたまって起きます。
ノイズの逃げ道を確保して対策(ノイズに逃げ道ルートを確保して対策する方法)
ノイズ対策は、その性質により異なります。
伝導ノイズ
<電源線・ケーブルほか>
電源線にはノイズフィルタや、異常電圧や異常電流を機器の入り口で阻止する「サージアブソーバ」を用いることで対策となり、更にシールドを施したケーブルやEMC対策をしたコネクタを使うことで更なる防御となります。
<配線>
十分なサイズと長さのアース線で、アース処理を確実に行う必要があります。
電磁結合ノイズ
<ケーブル>
絶縁体を対撚りにする事でノイズ対策となります。
<配線>
高電圧と低電圧の送電線、デジタルとアナログの信号線など、異なった種類の信号を流すケーブルはできるだけ離して配線してください。
静電結合ノイズ
<ケーブル>
ツイストペアケーブルを用います。
シールドを施したケーブル、誘電率の小さい絶縁材料を用いたケーブルもノイズ対策となります。
放射ノイズ
<ケーブル・コネクタほか>
シールド付ケーブルの中でも、シールドの編組密度が80%以上のものを用いましょう。
コネクタ本体やコネクタの取り付け部品にもシールドを施します。
自己発生静電ノイズ
<ケーブル>
必要に応じて、ケーブルのシールドに半導電層を付加し、不要な電荷をアースに導きます。
<配線>
できるだけケーブルに負荷が加わりにくい配線を試みてください。
おわりに
ノイズには有効な対策とそうでない場合があります、様々な角度からの検証と対策を試みる必要があります。
ロボットケーブルを選ぶ際には、使用環境及びノイズ対策を行う事が必要です。