CVケーブル・CVTケーブルとは?【ケーブル紹介】
電力用ケーブルとして絶大な信頼がおかれているCVケーブル。
構造や特徴とともに、CVTケーブルについても簡単にご紹介します。
CVケーブルとは?
CVケーブルとは、架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(Cross-linked polyethylene insulated Vinyl sheath cable)の略称をさしております。
電力用ケーブルとして広く普及しており、特に民生用の構内ケーブルとしては、住宅や商業施設、病院などさまざまな規模の建築物で使われています。
耐候性があり、屋外での露出配線も可能です。
CVケーブルの構造や特徴
CVケーブルは、導体の周りに絶縁体が施され、銅テープやビニルシースなどで覆った構造となっています。
絶縁材料として用いられているのは、架橋ポリエチレンです。
元々ポリエチレンは絶縁性能が高く入手が簡単である一方で、電流で発生する熱に対して弱いというリスクがありました。
架橋ポリエチレンは、分子を網状に補強する“架橋”を施すことで耐熱性能を高めています。
最高許容温度が90℃となるため、CVケーブルの電流容量も大きくとれるのです。
CVケーブルとCVTケーブルの違い
多心のCVケーブルの種類
ひとつの外皮(シース)に複数のCVケーブルをまとめたケーブルは、心線の数によってCV-2C、CV-3C、CV-4Cと呼ばれます(CV-〇Cの〇は心線の数)。
いずれもケーブルの隙間を介在物で埋めてまとめ、丸い形に整えたものです。
またCV-2Cなどとは別に、単心のCVケーブルを複数本より合わせて許容電流値や施工性を向上させた、CVD、CVT、CVQの各ケーブルがあります。
CVケーブルを2本より合わせたものがCVDケーブル、4本より合わせたものがCVQケーブルです。
CVTケーブルはCVケーブルを3本より合わせたもので、工事現場などではトリプレックスケーブルとも呼ばれます。
CV-3C とCVTケーブルの違い
CV-3C とCVTケーブルの違いは、介在物の有無と、より線であるかどうかということです。
CV-3Cは介在物があるぶん、CVTケーブルと比較して重く、また放熱性能が低下するために許容電流量が小さくなります。
一方のCVTケーブルは3本のより線となっていて介在物がないため、CV-3Cと比較して下記のような特徴があります。
・曲げやすくて軽く、したがって施工性が高い
・許容電流量が大きい
・より線であるためケーブル外径が大きい。(ただし、ほぼ同じと言えるほどのわずかな差である。)
またケーブル1本1本が架橋ポリエチレンで覆われて保護されているため、線間短絡事故を誘発しにくい特徴も有しています。
CVケーブルとCVTケーブルのコストには、大きな違いはありません。
おわりに
CVケーブルは取り扱っているメーカーが多く、高圧用などさまざまな性能が付与されたケーブルもあり、同一メーカー内においても種類が豊富です。
そのためケーブルを選ぶ際は、担当者にしっかり仕様を確認することをおすすめします。