VCTケーブルとは?【ケーブル紹介】
建物や電柱などに固定しない移動電線としてよく使われるものといえば、VCTケーブルです。
特徴や規格などを簡単にご紹介していきます。
VCTケーブルとは?
VCTケーブルとは、ビニル絶縁ビニルシースキャブタイヤケーブルのことをさします。
キャブタイヤケーブルとは大きくゴム系とビニル系に分けられ、VCTケーブルは絶縁体や外皮(シース)にビニル系の素材を使ったものです。
単にキャブタイヤケーブルと呼ばれることもあります。
またVCTケーブルは交流600V以下、直流750V以下の電圧で使用されるものです。
移動電線であり、小型発電機や溶接機といった工場や工事現場で使われる機器、エレベーターのように移動かつ大きな動力を必要とする機器などに使われます。
またFA(工場の自動化)の、自動化用機器の配線等にも使用されています。
VCTケーブルの規格
ケーブルは安全のため、技術的要件や敷設場所など細かく規制がなされています。
VCTケーブルは、JIS C3312に「600Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル」として規格が定められています。
JIS C3312に規定されている項目は材料や構造、加工方法、線心の種別や多心ケーブルのより合わせの方法、絶縁体や外皮(シース)などです。
また経済産業省が示す「電気設備の技術基準の解釈」にも、VCTケーブルを使ううえで順守すべき事項が記載されています。
記載されているのは、敷設場所や適合電圧、JIS規格や日本電気技術規格委員会規格との関連などです。
VCTケーブルの種類と性能
VCTケーブルには性能を強化したものや、VCTケーブルを元に進化したものがあります。
各環境に耐性のあるVCTケーブル
一般用途のVCTケーブルの他に、各環境に耐性のあるものがあります。
たとえば柔軟性に優れたソフトタイプのVCTケーブルは、屋内・移動用向けとして、小型電気機器や水中ポンプなどの配線に使われます。
VCTF
VCTケーブルは交流600V以下、直流750V以下の電圧で使用されます。
対してVCTFはキャブタイヤコードとも呼ばれ、交流300V以下の電圧で使用されるものです。
エコキャブタイヤケーブル
エコケーブルとは、火災や廃却時に焼却しても有毒ガスやダイオキシンが発生しないように環境に配慮されたものです。
VCTケーブルにも、鉛やハロゲンを含まない被覆材料を使用し、有害物質を発生させないエコ対応のものがあります。
ケーブルによってはリサイクルも可能です。
おわりに
ちなみにVCTケーブルから進化したのがロボットケーブルで、産業用ロボットや工作機械などの内部配線に利用されています。
ケーブルと呼ばれるものは多種多様ですが、用途に合わせて選定していきましょう。