IVケーブル・HIVケーブルとは?【ケーブル紹介】
600V以下の屋内配線用として広く普及しているIVケーブル。
今回は、IVケーブルの構造やHIVケーブルとの違い、エコケーブルも合わせてご紹介します。
IVケーブルとは?
IVケーブルは600Vビニル絶縁電線のことで、IV電線とも呼ばれます。
1本の銅線、または複数の銅線をよりあわせたものを絶縁体であるポリ塩化ビニル(PVC)で覆った構造です。
単線よりもより線の方が、曲げやすいために施工性が高くなります。
日本産業規格においては、JIS C 3307に「600Vビニル絶縁電線」として定められています。
IVケーブルは色によって識別されるようになっており、一般的に下記のような使い方がなされています。
黒・赤:電源線
白:中性線
緑:接地線(アース)
黄・青:盤内配線の制御用
HIVケーブルとは?
HIVケーブル(HIV電線)は、IVケーブルよりも耐熱性能の高いもので、600V二種ビニル絶縁電線とも呼ばれます。
IVケーブルの絶縁体の最高許容温度が60℃であるのに対し、HIVケーブルの絶縁体の最高許容温度は75℃です。
周囲の温度がある程度高い場所でも安定した送電が可能で、特に分電盤の盤内配線として広く利用されています。
日本産業規格においては、JIS C 3317に 「600V二種ビニル絶縁電線」として定められています。
さらに最高許容温度が105℃とHIVケーブルより高いSHIVケーブル(SHIV電線、特殊耐熱ビニル絶縁電線)があります。
ただ性能を高めている分価格も高いことから、必要な場所にのみ使用される傾向にあります。
IVケーブルの使用用途
主な用途
IVケーブルは主に下記のように利用されています。
・照明器具やコンセントの渡り線
・接地用の電線
・制御盤内配線
・その他600V 以下の一般電気工作物、電気機器用配線、屋内電気配線
禁止されている敷設
IVケーブルは外皮(シース)が存在しないため、損傷を受けやすいものです。
したがって接地用などの例外を除き、柱や梁などに直接固定することやケーブルをむき出しにして敷設することは禁止です。
屋内電気配線用として使用する場合は、電線管や金属ダクトに収めて保護するか、碍子(がいし)に固定させることになります。
もしくはIVケーブルを外皮(シース)で保護したものであるVVFケーブルを用いるのも方法のひとつです。
エコケーブル
電線・ケーブル全般に、燃えても有害物質や煙が発生しにくく、リサイクルしやすい材料で構成されたエコ電線・エコケーブルがあります。
IVケーブルのエコケーブルとしては、EM-IE(耐燃性ポリエチレン絶縁電線)などがあります。
環境に配慮した工事の案件で「エコケーブルを使用すること」と指定された場合は検討してみましょう。
おわりに
IVケーブルは屋内配線用として一般的で、取り扱っているメーカーも多く存在します。
購入する際には在庫やサイズなど、担当者にしっかりと確認しましょう。